段取り八分

「段取り八分」——仕事の出来栄えの八割は段取りで決まる。

好きな言葉のひとつだ。縫製の現場でもまさに同じで、特にアイロンワークはその要となる。

縫製というとミシンの技術ばかりが注目されがちだが、その前段階のアイロンワークがどれだけしっかりしているかで、作業の流れも仕上がりも大きく変わる。

シャツの部位を「作る」作業に近く、アイロンの先、中間、端を使い分けながら形を整えていく。

一般的な「シワを伸ばす」イメージとは違い、ただ「さーっとかける」のではなく、「トントン」と生地を操るような感覚だ。言葉で説明するのは難しいが、これは間違いなく職人技だ。

ただ、どれだけ丁寧に下処理をしても、完璧というわけにはいかない。

生地の個性や環境の変化も影響するし、人の手で行う以上、どうしても細かな誤差は生まれる。

そんなときは、ミシン職人の出番だ。

針を進めながら、生地のクセを読み、指先の感覚で微調整をする。

ちょっとしたズレなら、ミシンの技術でフォローできる。

逆に、アイロンワークがしっかりしていれば、ミシンの仕事もぐっと楽になる。

弊社は小ロット〜の量産工房だ。

一度流れが動き出すと、途中で止めるのは難しい。

だからこそ、アイロンワークとミシン、それぞれの職人が互いにフォローし合いながら、リズムよく縫い進めていくことが大切だ。

縫製の現場ではミシンの技術が目立ちやすいが、アイロンワーク職人の支えがあってこそ、僕たちは安心して針を進められる。

今日も、しっかり形作られた生地を手に取りながら思う。

「よし、ここからは任せてくれ」——アイロンとミシン、それぞれの技が合わさることで、一枚のシャツが形になっていく。

80% of success comes from preparation.

This is especially true in sewing, where ironing is key.

While machine stitching often gets the spotlight, ironing shapes the fabric and prepares it for sewing. It’s not just about removing wrinkles, but controlling and shaping the fabric precisely. This unseen craftsmanship greatly influences the final result.

Even with careful ironing, the fabric behaves differently depending on its characteristics. That’s where machine operators adjust, fine-tuning as they sew. When ironing is done well, stitching flows smoothly.

In our workshop, ironing and machine work support each other, bringing each shirt to life.